日隈、万感のラストラン
花束を渡され感無量の日隈洋一

○…「最後の別大」となった県勢の日隈洋一(29)=新日鉄大分=は2時間24分5秒の30位でフィニッシュ。「もう少し頑張りたかったが、思ったように体が動かなかった」。地面に倒れ込んで悔しそうに語った。

 前半は5キロを16分弱のペースだった第3集団に位置。だが、徐々に上がってきたペースについていけなくなった。「あとは自分のペースでいくしかない」。足裏のまめの痛みをこらえながら懸命に走った。「みんなが応援してくれている。絶対あきらめずに粘って、粘っていこう」。周りの声援が後押しになった。

 第49回大会は自己ベストで初の10位入賞。池中杯(県勢トップ)も3度獲得した。だが、2002年のクラブ化に伴い、練習量は全盛期の半分。3交代の勤務に変わることが決まり、29歳という年齢も考えてラストランと決意した。それでも質は落とさず前向きに練習を続けた。「別大は陸上でも鍛えられたし、人間的にも成長できたすごく大切な大会。悔しいが、きょうやれることはやった」。レース後、花束を持って現れたまな娘・彩美ちゃん(7っ)、美夏ちゃん(5っ)の姿に最後は涙がこぼれた。